古くから日本人の食卓で親しまれてきたごぼう。その中でも4~6月が「新ごぼう」の
旬と言われています。時期になると、香りのいい新ごぼうがスーパーなどの旬の食材
コーナーに並びますね。
お買い得で美味しい新ごぼうを、最後まで新鮮に食べるための保存方法や
ごぼうの見分けかたなどご紹介します。
新ごぼうの保存には土の中がいい?その理由は?
ごぼうは、キク科ゴボウ属という種類に分類される、畑で複数年栽培可能な食物です。
他国ではあまり食べられていないことは知っていましたか?
中国では漢方として使用されていますが、ほかの国ではほとんど食べられていません。
戦時中に日本兵が、捕虜のアメリカとイギリスの兵士にごぼうを食べさせたら、帰国後に
「日本人に木の根を食べさせられ虐待を受けた」
と言ったというほど、外国では馴染みのない食材です。
ごぼうは成分のほとんどが食物繊維でできていて、腸内の老廃物や細菌を除去する
作用があります。また、体内の塩分を排出してくれるカリウムや、ビタミン、ミネラルも
豊富で、水に漬けると泥汚れが溶け出したのようにみえる茶色の色素も、実はポリフェノール
の一種です。
ごぼうは根の長さによって品種分けをされていますが、今回ご紹介する新ごぼうは、主に
九州で栽培される品種で、長さが短く色も白っぽいのが特徴です。香りがよく柔らかいので
様々な料理でも活躍しますよ。
上手な選び方としては、以下が新鮮なごぼう選びのポイントです。
■土付きで販売しているもの
■太さがだいたい均一で表面が硬いもの
■根っこのヒゲが少ないもの
収穫から時間が経ちすぎて、水分が抜けて柔らかくなってしまっているものや、
洗いごぼうの場合は、傷が入っていないものを選びましょう。
ごぼうは、土の中で保存しておいた方が鮮度を長く保つことができます。
野菜にとっては、栽培された状態と近い方が長持ちするので、買う時も泥付きの
ものを選びましょう。
また、ごぼうにとって最適な温度は、冬場のような低い温度なので、冬場は常温で
冷暗所へ、夏場など気温が高い時期は冷蔵庫で保存するといいでしょう。
保存の際は、新聞紙に包んで立てておきましょう。
保存方法によって鮮度の保てる期間を比べてみると、土付きのごぼうを常温で保存
した場合は1~2週間程度、土付きのごぼうを土の中に埋めて保存した場合は、3週間
以上保存可能です。
新ごぼうは持ちが悪いため、早めの使用をおすすめしますが、どうしても余ってしまう
時などは、下処理と保存方法を工夫すると長く持たせることが可能です。
新ごぼうの食べ頃は?保存していたごぼう中が赤いのはなぜ?
新ごぼうは購入してから3~5日くらいが美味しく食べられる目安になっています。
また、どうしても余ってしまう場合などは、ささがきなどに下処理し、しっかり酢水に
つけて水けを切り、冷凍保存すると3週間前後持たせることができます。
この時に、ごぼうの皮は剥かずに汚れを洗い流すだけにすると、栄養が逃げずしっかりと
摂取することができます。
また、時間が経って「す」が入ってしまうこともあると思いますが、風味や香りは落ちる
ものの、食べられないわけではありません。すの入った中心部分をスプーンなどで取ってから
調理するといいでしょう。
きちんと保存方法を守っていたのに、買ったばかりのごぼうが赤く変色していることが
あります。
これは保存が悪かったわけでも、古くなったわけでもなく、ごぼうの中のポリフェノール
由来の成分(サポニン)が鉄と反応したからなのです。
このサポニンには、肥満やコレステロールを抑える効果や、免疫を高める作用があり、
変色は有効成分が反応しているだけなので安心して召し上がってくださいね。
まとめ
新ごぼうは日本ならではの栄養価の高い食品です。野菜の高騰が目に付くこの頃ですが、
旬の野菜を上手に保存して、美味しく食べきることが節約にも繋がりますね。
ごぼうを買った時はぜひこの保存法をお試し下さい。
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