【中国株マーケット情報】中国気球問題の株価への影響は限定的か

株式・金融

中国気球問題の株価への影響は限定的か

2/13~17の中国株式市場は神経質な展開が続くと考える。

足元で中国株が調整した背景としては、①昨年11月から株価が大幅に上昇し利食い売りが出やすかったこと、②春節前に供給した大量の資金を、春節後に当局が回収していることにより足元で市場金利が上昇していること、③中国の気球が米国の領空に侵入し撃墜されたことを受け、2/5~6に予定されたブリンケン米国務長官の訪中が直前に延期され、米中関係に対する懸念が高まったこと、などが挙げられよう。

春節後の資金吸収は通常2週間程度のため、2/20の週には市場金利は落ち着いてこよう。また、気球問題については、①軍事情報の収集が偵察衛星でも概ね可能と見られ、情報収集の意義が限定的と考えられること、②トランプ政権下でも中国の気球が米軍基地上空を3回飛び、当時の政府が対応しなかったと見られること、③気球が撃墜された直後のハンセン指数が前日比2%程度の下落に留まったこと、などを考慮すると、収集された残骸から危険物質等が出ない限り、株価への影響は限定的と考える。

市場金利が高めに推移していることに加え、投資家が気球問題に注目しているため、2/13の週の株価は神経質な展開となろう。ただ、中国には不動産等のように回復が大幅に遅れている産業もある。3/5に開催予定の全国人民代表大会では不動産、電気自動車、DX等に対する支援策が発表されると見込まれ、投資家の関心は徐々に支援策へシフトしていくと考える。

(2/8記 投資情報部 白岩)

【マネきゃん/Money Camp】

紹介銘柄

宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン)(深センA・000858/Z8639)

◆白酒の製造、販売を手掛ける。売上規模で業界2番手。看板製品の「五糧液」は「茅台酒」と並び中国を代表する高級白酒ブランド

◆22年1~9月期の売上高は前年同期比12.2%増、純利益は同15.4%増。ブランド定義の明確化に伴い一部製品の単価が上昇。「量より質」の構造改革が進展中。22年12月期も二桁の増収増益を見込む

◆販売面でアリババ系の天猫(Tモール)や京東(JD)などネット中心の直売モデルを強化中。同モデルが酒類売上全体に占める割合は22年6月中間期に41.1%まで上昇。粗利益率は86.9%と代理店方式より8.6pt高く、利益の押し上げ効果が期待されよう

(上海駐在員事務所 奥山)

 

中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー)(上海A・601888/Z8635)  

◆免税店の世界売上シェアは24.6%と2年連続首位(21年)。22年10月には海南島海口で世界最大の免税店「海口国際免税城」を開業

◆22年12月期の売上高は前年比19.5%減、純利益は同48.0%減(速報ベース)。都市封鎖や閉店による来客数急減などが大幅減益の主因

◆海南島における23年の春節(旧正月)期間中(1/21~27)の免税店販売総額は前年同期比で20.7%増。移動制限の緩和や新免税店のオープン効果に加え、海南省の消費促進策の期待もあり、23年は増収増益に転じると見込む。25年に中国の免税市場規模は21年の5.3倍まで拡大すると予想され、同社も恩恵を受けそう

(上海駐在員事務所 孫)

 

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