今週の株式市場見通し、日米中共に方向感に乏しい展開か(1/16~1/20)

株式・金融

1/16~20の世界市場は、日米中ともに方向感に乏しい展開か。世界銀行は米国の23年の実質GDPの成長率見通しを6月予想から1.9%pt、日本を0.3%pt、中国を0.9%pt、それぞれ引き下げた。米国の引下げ幅は大きいが、前年比0.5%成長は市場コンセンサスよりも楽観的か。

日本株式市場は、値固めの展開を想定。1/17~18の日銀金融政策決定会合では、12月の政策変更の経緯もあり、前後では神経質な展開も。ただ予想PERやPBRは既に割安と考えられる水準で下値は堅そうだ。決算発表も始まっており、徐々に好業績銘柄を物色する動きも出そうだ。

米国株式市場はもみ合いの展開か。CPIでインフレ鈍化傾向が確認されれば、利上げペース鈍化期待が相場下支えか。米企業決算は1/13の金融機関の決算を皮切りに決算発表が本格化。業績の悪化自体は既に予想されるも、株価の調整幅は大きくなく、織り込み不足の可能性も。金融機関やネットフリックスの決算を無難に通過すれば、底堅く推移か。

中国株式市場は、利食い売り優勢の展開か。10~12月GDPなどの主要経済指標の減速や春節の長期祝休日前に利食い売りが上値を抑制か。ただ中国でのゼロコロナ政策は概ね撤廃された。また都市部では住民の7~8割が感染し集団免疫はほぼ達成したと思われる。経済活動は正常化が進んでいると考える。ただ春節の旅行予約は大幅増となっており、観光業には前向きな兆しだが、2月半ばにかけて地方が感染拡大で混乱するリスクはありそうだ。

世界の主要株価指数の推移・世界銀行実質GDP成長率予想

(1/11記 投資情報部 藤本)

【日本株投資戦略】日経平均は現状割安感が意識される状況

1/16~20の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。

足もと、日経平均は節目の26,000円を突破し確りの値動きに。背景には堅調推移となっている米国株や中国株の動向を受けた、投資家心理の改善がありそうだ。ただ、1/17~18には日銀の金融政策決定会合が予定されており、荒い値動きとなる可能性には留意が必要か。もっとも、現状日経平均の予想PER(QUICK予想)は12.10倍(1/10時点)、PBRは1.09倍(同)とバリュエーション面での割安感が意識される状況。短期筋の先物売り等で波乱するようであれば、買い場と捉えたい。また、日経平均とQUICKコンセンサスDI(主要企業の業績予想の変化を示すもの)の推移を見る限り、業績に対する懸念は相当程度織り込まれたと考える。

足もと、小売り等を中心に2月、5月、8月、11月決算企業などの決算発表が行われている。その後、1月下旬からは3月決算企業の第3四半期累計(4~12月)の決算発表が始まる流れとなる。本格的な決算発表は1月末から2月半ばに。

コスト高や為替の変動などを受けて厳しい内容となると予想されるが、そろそろ来期(2024年3月期)を見据えた投資が活発になるタイミングか。徐々に企業業績を手掛かりとした個別物色が売買の中心になりそうだ。

岸田首相が1/4の年頭記者会見で、インフレ率を超える賃上げの実現を求めたこと、力強い経済の実現を目指すと述べたことは好材料と言えよう。連合は今年の春闘で5%程度の賃上げを求めている。今後の動向に注目したい。

日経平均予想PERとPBR(日足、倍) QUICKコンセンサスDI(月足)

(1/11記 投資情報部 大塚)

この情報元は東洋証券のHPより

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