春になると、季節の食材がたくさんスーパーに出回ります。
あさりは、その中でも値段が手ごろですし、調理法も楽で、
レシピも多様、魚嫌いの人でもよろこんで食べてもらえる、とても便利でおいしい食材ですよね。
春も中盤か終盤にかけて、潮干狩りも楽しみにしている人もいるでしょう。
ところで、「貝毒」ってご存知ですが?
文字の通り、貝を食べて、中毒になってしまう症状の事を言います。
市販のあさりは、衛生状態も良い状態で売られていますが、
特に潮干狩りに行って、取った貝を食べる場合は、注意が必要です。
あさりの貝毒がある時期っていつからいつまで?
あさりの貝毒の原因は、あさりのえさの取り方にあります。
あさりのえさは、海水中の小さな藻や、微生物やその死骸です。
えさは、水管より海水を吸い込んで、中にいるプランクトンや藻を濾して食べています。
水管とは、あさりの砂抜きをしている時に、貝から足みたいなものを伸ばして、
水を飛ばしていることがありますよね。
あれが水管です。
こういう餌の取り方なので、あさりは「これは毒だから食べないようにしよう」という、
食べ物の選択はできません。
ですので、有毒性のプランクトンも一緒に吸い込んでしまうんですよ。
この吸い込んだプランクトンの毒は、あさりの体に取り込むと、
そのままあさりの体内に蓄積されていきます。
毒をたくさん貯めていた貝をたべると、人体に毒がまわってしまいます。
これが、あさりの「貝毒」と言われるものです。
この有毒性プランクトンは、活動が活発になる時期があります。
その時期というのは、3月から増え始め、4、5月に最も発生します。
しかも、4,5月は、潮干狩りのシーズンでもありますよね。
有毒性プランクトンの活発な時期と、人間がよく食べる時期と、
ぴったり一致しているんですね。
あさりの貝毒の症状ってどんな感じ?
あさりに限らず、貝の中毒は一般的にひどいと言われていますよね。
筆者は、あさりではなく、カキに一度当たったことがありますが、
胃の中のものがないのに、吐いてしまうという状態に陥りました。
症状がでたのが、高校の授業中であったので、周囲にとても迷惑かけたのを思い出します。
さて、貝毒の症状は、だいたい以下のようになっています。
- 麻痺性貝毒
食後30分で口唇、舌、顔面のシビレ、手足にも広がる。
軽症の場合は、 24~48時間で回復する。重症の場合は、
障害、頭痛、嘔吐、言語障害、流 涎等の症状が現れる。
麻痺が進行すると呼吸困難で死ぬことがある。
- 下痢性貝毒
激しい下痢が主な症状で、吐き気、嘔吐、腹痛を伴うこともある。死亡例なし。
- アサリ毒
食後24~28時間で、悪寒、食欲、不痛、倦怠感、悪心、嘔吐、便秘等
があり、皮下出血班が必ず見られる。
2~3日後に、口、歯茎、鼻等の粘膜に出血、口臭が特徴、黄疸も見られる。
重傷の場合は、神経錯乱を起こして1週間以内に死亡する。
上記の他に、記憶喪失性貝毒、神経性貝毒というものもあります。
しかし、発症例は外国だけで、日本ではまだない貝毒なので省きます。
症状としてよく現れるのは、「麻痺性貝毒」と、「下痢性貝毒」だそうですよ。
筆者がカキに当たった時の症状は、おそらく「下痢性貝毒」でしょうね。
また、貝毒の怖いところは、貝毒に対しての特効薬や治療法は、
ない、ということです。
つまり、症状を緩和するだけの、対処療法しかありません。
普通の大人なら持ちこたえることはできるでしょうが、小さい子供やお年寄りになると、
体力が持たないこともありえます。
ちなみに、この貝毒の症状は、あさりだけでなく、二枚貝ならすべて当てはまる症状です。
潮干狩りの時によく採られる、マテ貝や青柳(バカガイ)にも当てはまるので、注意して下さい。
また、潮干狩りの場所については、水質情報が出ている場合もあります。
潮干狩りに行くときは、貝毒がでているかどうか、確認していくのがお勧めですよ。
まとめ
貝は、家族みんなで同時に食べることが多いので、
貝毒になると、家族全員当たってしまうことが多いです。
筆者も、カキに当たった時は、筆者だけでなく、家族全員当たっていました。
そうすると、だれも看病することはできないので、ひたすら水分をとって寝ていましたね。
そうならないためにも、貝はできるだけ信頼のおける場所でとったものを食べるのがいいですね。