いま、日本で急速に普及している“スマホ”。さまざまな理由で中学生のわが子に持たせている
人もたくさんいるでしょう。便利な反面、その注意点もいろいろと言われるようになってきました。
今回は、中学生が「スマホ依存」にならないための対策をご紹介します。
中学生のスマホ使用時間はどのくらい?
文部科学省が2015年に行った「青少年のインターネット利用状況」の調査によると、スマホ、
携帯電話、携帯ゲーム機、パソコン、タブレットなどでインターネットを利用している
中学生は79.4%にのぼります。
使用時間を見ると、文科省の2014年の同調査では、平日(月~金)に2時間以上使用している
中学生は47.4%、インターネットを利用しているおよそ半数の中学生にものぼります。
中学生になると部活や習い事で自由時間が減る傾向にありますが、その中でも2時間以上、
長い場合は3時間以上、インターネットを使用しているという結果になりました。
この割合は年々増えていっていますから、2017年の現在は、子どもの数も、使用時間も、
もっと増えているかもしれません。
1日24時間という枠は変えようがありません。
では、子どもたちは少なくないインターネット利用時間をどのように捻出しているのでしょうか。
それはズバリ、学習時間と睡眠時間を削っているのです。
中学生のスマホの使用時間で実際に起こったトラブルは?
2012年に厚生労働省が、全国の中高生を対象にインターネットに関する実態調査を
行いました。
その結果、ネット依存の中高生は国内で約51万8千人にのぼると推計しました。
中でも、「病的な使用」と判定され、ネット依存が強く疑われる生徒は8.1%
にのぼるとしました。
先ほど紹介した文科省の調査の傾向と比べてみても、
この数はさらに増えていることが予想されます。では、実際に依存状態になると、
どのようなトラブルが起きるのでしょうか。
睡眠障害
明け方までネットをするので、朝起きられない。昼夜逆転。学校に行けない。
学校に行っても授業に身が入らない。
体力の低下
ぜんぜん動かないので体力が低下する。患者の100%にみられる。
栄養不足
ネットに夢中になりすぎて食事もおろそかになる。カップラーメンを1日1食という人もいる。
血糖値も低下する。家族と一緒に食事をせずに、部屋に閉じこもって食べたり、
誰も居ない時にひとりで食べたりする。
骨密度の低下
ずっと座ってたり、寝転がっていたり、歩かないので足の骨密度が低下する。
骨粗しょう症になることもある。
視力の低下
寝る前の暗闇でスマホをいじっていたりすると視力が落ちることがある。
その他に、SNSが普及してきたことによる「インターネット上の人間関係」も
問題になってきています。
「早く返事をしないと嫌われる」など、人間関係を維持するために強迫観念にかられたり、
「SNS上で仲間外れにされる」など、いじめが見えにくくなったりしています。
また、SNS上で知り合った人物と直接連絡を取り合ってしまい、
事件に巻き込まれるというトラブルもあります。
これらは時間を制限すれば解決するかといえば一概にそうとは言えませんが、
ある程度スマホなどと距離をとれるようになれば、無用なトラブルに巻き込まれることは
少なくなるかもしれません。
中学生のスマホ使用を制限する方法は?
最近、さかんに言われているのが「ペアレント・コントロール」です。
スマホなどを買い与えるのは親ですから、親がしっかり管理(コントロール)
しようということです。例えば、家庭でこんなルールを決めてみるのはどうでしょうか。
(1)使用時間を決める
「1日○時間」という枠だけではなく、「○時~△時」というように時刻まで決めておくと、
「それまでに勉強をする」、「お風呂を済ませる」など、生活習慣も整います。
使用してはいけない時間は、親がスマホなどを預かりましょう。
寝る直前にブルーライトを浴びると睡眠障害を引き起こすとも言われていますから、
就寝直前は避けるとよいでしょう。
(2)スマホなどでやってもいいことを決める
機器だけ与えて「あとは子どもが自由に」としてしまっては、親のコントロールが
行き届かなくなってしまいます。
したがって、スマホなどを使って「やってもいいこと」を決めておきましょう。
定期的に入っているアプリなどを一緒に点検するとよいでしょう。
ネット上であっても、現実世界でのコミュニケーションと変わらないことも
子どもに伝えておきましょう。
(現実世界でやられてイヤなことはネット上でもしない、個人情報に気をつける、など)
機器を買うときには、必ずフィルタリングをかけておきましょう。
どんなフィルタリングがあるかよく知らないという人は、買ったお店で相談してみましょう。
(3)ルールは「親子」で守る
子どもに時間や使い方などのルールを守らせたかったら、親も一緒に取り組みましょう。
とはいえ、大人は必ずしもスマホを使わないというわけにはいかない場合もありますので、
せめて子どもの前では使わない配慮をしましょう。
まとめ
これから、スマホはますます日常生活になくてはならないものになっていくでしょう。
自分の身を自分で守るのは、使う側の責任ということになります。
使い始める前に親子でしっかりルールを作って、安全に使えるようにしましょう。
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