中学生になって、子どもの世界は変わります。
新しいクラス、新しい先生、新しい部活・・・先輩、後輩、かかわる先生も含めて、
人間関係がグンと広がります。そんな中学校で「うちの子、ちゃんとやれているのかしら?」
と心配になるのは当然です。「うちの子、もしかして友達がいない・・・?」と心配になったら、
ちょっと立ち止まって冷静に考えてみてください。
教師から見た。友達がいない中学生女子は学校生活ではどうしているのか?
「個性の尊重」が叫ばれるなか、日本ではやはり「集団行動」も重視されます。
どこかのグループに所属していれば、端から見れば安心します。
とくに女子は、いくつになっても群れたがる生き物です。
でも、ちょっと考えてみてください。
複数人の集団の中に入っていれば“安心”でしょうか?その集団に入っていることで、
つらい思いをしていることはないでしょうか?
昨今の学校現場では、集団も個も重んじるように視点を変えるようになってきています。
「“ひとり”が好きな子がいてもいいじゃないか」ということです。
まず、お子さんは友達をつくりたがっているのか、“ひとり”が好きなのかはしっかり見極める
必要があります。ひとりの時間も大事にできる子は、芯の強い子ですよ。
さて、では本題の「友達がいない子」は学校でどう過ごしているのかについてお話しましょう。
あくまでも、ステレオタイプというわけではなく、筆者はこんなところに気をつけて見ていた、
ということでお読みください。
- 休み時間は図書館や保健室に通う
図書館や保健室の先生と密に連携を取り、その子がポロリとこぼした一言を教えてもらったり、
クラスでの様子をさり気なく聞き出してもらったりしていました。
- 給食の班でのかかわり
給食も、人間関係が見える貴重な時間です。
筆者は日替わりで班に加わって一緒に給食を食べるようにしていましたが、
気にかかる子がいる場合は、どの班に入っても、その子が視界に入るような位置に机を向けて
食べ、観察していました。その子がいる班に入った時には、筆者から話しかけ、
その他の班員の子にも話を広げて会話の輪に入れるようにしました。
- 各教科の教員と密に連携を取る
中学校では、たくさんの教科担任がかかわるのが利点です。
各教科の授業での様子を聞き、班活動などは配慮してもらっていました。
中学生になり友達がいないことに対し親ができることはあるのか?
学校へのアプローチ
もし、お子さんの学校での様子が心配であれば、まずは担任に聞いてみてください。
中学校では小学校のころよりも生徒とかかわる時間は減ってしまいますので、
親御さんからそういう声をいただくことで、これまで気にかけていなかった子を注意して
見ていこうと気づけることもあります。家庭と学校の情報交換も大事にしていきたいところです。
万が一、担任の反応が薄いようであれば、教科担任や部活動の顧問、
図書館や保健室の教員などに声をかけてみるのもいいでしょう。
そこから、支援の輪が広がっていきます。
子ども本人へのアプローチ
中学生ですから、すぐに本当のことを話してくれるとは限りません。
でも、そこで親まで気をつかって距離を置いてしまっては、
子どもが救われる場がなくなってしまうかもしれません。
最初は本当のことを話さなかったとしても、「今日はどうだった?」などと声を
かけ続けてください。いつもは「べつに・・・」という答えだったのが、
そのうち「実は・・・」という答えに変わるかもしれません。
毎日だれかが気にかけてくれているという安心感は子どもに伝わるものです。
また、同じ「べつに・・・」だとしても、親だからこそわかる微妙な変化もあるかもしれません。
少しでもおかしいと感じたところがあれば、学校に相談してみてください。
コミュニケーション力を高める
友達をつくるためには、コミュニケーション力が欠かせません。
せっかく話しかけてくれたのに、受け身でいるだけで気のない返事ばかりをしていては、
話しかけてくれなくなってしまいます。相手が気づかいのできる子なら
「ひとりでいたいのかな?」と逆の方向に気をつかってくれるかもしれません。
お子さんのコミュニケーション力を高めるためには、家庭での会話が重要です。
言語習得の最初の場は家庭です。家庭でたくさんの言語にふれ、表情をゆたかにしていくことが、
コミュニケーション力を高めていきます。思春期になると口数が減ってくるかもしれませんが、
そこでお互いが口を閉ざしてしまっては会話は減っていく一方です。
ぜひ、親御さんから話しかけてあげてください。
「みんながやっているから・・・」は危険
最近はSNSなどが普及し、学校外や大人の目に見えないコミュニケーションが増えてきました。
そこでのトラブルも右肩上がりに増え、深刻化しているのも事実です。
親としては「みんながやっているなら、仲間外れにされてしまう」という危機感をもつことが
あるかもしれません。
でも、冷静に考えてみてください。同じでいなければ仲間外れにされるような仲間が「友達」と
言えるのでしょうか?キレイゴトと思われるかもしれませんが、やはり真理なのだと思います。
仲間外れにされるようなグループに属しているということは、
わが子が仲間外しをする加害者側にならないとも限らないということです。
わが子が被害者になることには敏感になるけれど、
加害者になるかもしれないということは微塵にも思っていない親御さんが多いような気がします。
本当の友達とは何かを考えさせてあげるのも、大人として大切な道しるべだと思うのです。
まとめ
女子の人間関係は永遠のテーマです。“健全”な人間関係を築く力をつけてあげられれば、
大人になったときにその友達は親よりも力になってくれる存在になります。
「友達を大切にする」、「友達から大切にされる」、両方が大事だということに気づかせて
あげたいものですね。
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