桃の節句と並んで、「お道具をどうやって用意するか」で意見が分かれてしまう行事に、
端午の節句があります。
筆者は姉妹でしたので、端午の節句は、ちまきと柏餅を食べるだけでしたが、
近所で男の子がいるお宅は大変そうでした。
筆者の実家周辺は、何百年も続いた村が点在している地域で、
ご近所の方が家に上がってくるなんて普通でした。
ですので、近所の人たちに悪く言われないように、親だけで準備をするのではなく、
祖父母もしっかり口出しをしていました。
親がこうしたい、ああしたいという意見は、ただの「わがまま」のようでしたよ。
今はそういったことはないかと思いますが、どうなんでしょうか。
端午の節句の兜は誰が買うの?決まりはある?
ひな人形は、母方の祖父母が出すものという、いわれがあります。
では、端午の節句の兜はどうかというと、地域によって差があるようです。
関東では、端午の節句は父方、桃の節句は母方、関西では、端午の節句も桃の節句も、
両方母方が準備することになっているそうです。
昔の結婚は、夫が妻の実家に通う「通い婚」でしたので、
節句は子どもがいる妻の実家で用意していたようです。
関西では、その伝統が残っているようですね。
しかし、現在はそういう決まりを守るべき、ということはありません。
親だけで選んでも、どちらかの祖父母が用意しても、両方の祖父母で出し合っても、
何ら問題はありません。
ですので、
「昔から母方の祖父母が用意することになっているのだから、
こちらでいいものを選んであげます!どうしてあちらのご両親も出すことになっているの!?」
という考えは、今では好ましくないようです。
可愛い孫の初節句なのですから、できたら自分でいいものを、
という気持ちは分かるんですけれどね。
それは、お婿さんかお嫁さんのご両親も同じ思いです。
それに、昔と違って、置くスペースの問題もあります。
張り切って豪勢なものを買っても、置くところがないので飾れなくなった、
というのは大変悲しいことです。
まずは、孫の親である自分の子どもに、どうやって準備するか、聞いてみましょう。
そこから、相手側のご両親とどうするか、話し合って決めるのが一番いいのではないでしょうか?
なにも兜を買って渡さなければならない決まりもありませんので、
両方の祖父母からお金を出して、親が選んだものを買う、というのでもいいのです。
筆者の実家周辺のような、片方がややこしい地域であれば、節句は相手に譲って、
誕生日などはこちらでお祝いしてあげれば、両方の祖父母の顔も立つと思います。
まずは、孫の初節句だからといって、自分一人で何もかもしないこと、
これが肝心ではないでしょうか。
端午の節句の兜はお下がりでもいい?
ひな人形の場合ですと、ひな人形はふりかかってくる災難を人形に肩代わりさせるために
作られた「人型」から発展したものです。
ですので、お下がりは、災難をしょった人形を渡すことになりますので、
本来の意味からするとあまりいいことではありません。
では、なぜ端午の節句に兜を飾るようになったかというと、武家社会の習慣からきています。
武家には、安全を神社にお祈りする際、兜を奉納する習慣がありました。
兜は戦で着る道具という考えではなく、自分を守ってくれるという
精神的なシンボルだったそうです。
そこから、「兜は身を守ってくれるもの」という意味が重要視されて、飾るようになったようです。
どうも、ひな人形と同じ考えで飾られているので、
やはりお下がりはあまり縁起の良いものではありませんね。
しかし、ひな人形同様、兜もそう簡単にボロボロにはなりません。
自分のお子さんが使って、まだ飾れるくらいきれいなのに、
また孫の為に新しいものを買うのはもったいない、と考えてしまうのも仕方ないですよね。
経済的な理由などで、新しいものはもったいないと思うのであれば、
そのままお下がりでもいいと筆者は思います。
ただ、すべてお下がりで済ますのではなく、
何か新しいものを加えてやるといいのではないでしょうか?
それは別に高いものではなく、幼稚園や保育園で作った工作を並べるのもいいし、
お菓子売り場にある、柄にお菓子が入っているおもちゃのこいのぼりをあげてもいいのです。
何か、その子の為だけものを用意して、お祝いしてあげましょう。
もちろん、金銭的に余裕のある方は、ミニチュアの兜などありますから、
小さいものを買ってあげるのもいいかもしれませんね。
まとめ
初節句は、親、双方の祖父母、それぞれの想いが強い行事です。
きちんと話し合って、できるだけ不満が残らないようにしたいものですね。
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