昔からのしきたりや風習は大事にしたいものですね。
お墓参りも、そのひとつ。
しっかりマナーを守ってご先祖様を敬い、亡くなった故人を供養したいものです。
お墓参りに欠かせないアイテムはいくつかありますが、その中でも重要なのは「お線香」。
お墓参りのときに「線香をあげに行く」とも表現するように、
お墓に眠る故人を弔うマストアイテムです。
さて、お墓参りで線香をあげたあと、
線香の火が燃え尽きるまで待ちますか?それとも、そのままにして帰りますか?
どちらにしたらよいか、すごく悩むのは当たり前。なぜなら、はっきりとした回答がないからです。
ケースバイケースと言うか、お線香をあげたあなたの心持ち次第です。
その理由を説明していきますので、ご参考にしてみてくださいね。
お墓参りの線香の後始末のマナーは?
お盆、お彼岸、命日など、お墓参りをするタイミングはたびたびありますよね。
線香の火が火事にならないか心配で、
電池式のLEDの線香にしたい…なんてことを思ったりしていませんか?
確かに安全・安心ですが、それだと線香の意味をなさないので、線香は本物を使いましょう。
というのも、「死者は香りを食べる」とされ、線香は神仏の食べ物なのです。
つまり、お墓参りで良い香りの線香をお供えするのは、
故人や仏様へ食べ物を差し上げるということ。
線香の香りに包まれながら、故人やご先祖様を偲ぶ機会なのです。
【お墓参り・線香のマナー●お供え編】
例えば複数でお墓参りに行った際、
線香は、代表者が束でお供えすることが多いようですが、
一人ずつが必要本数をお供えすることもあります
お供えする線香の本数は、実は宗派によって違うのです。
- 1本…曹洞宗、日蓮宗、臨済宗、禅宗
- 2本…浄土宗
- 3本…天台宗、真言宗
本数だけでなく、線香を立てて供える・寝かして供える、などの作法がある宗派もあります。
線香は故人・ご先祖様の供養を主目的としていますから、
それほど堅苦しく考えなくてもよいのですが、
気になる場合はお寺・霊園などに確認するとよいでしょう。
線香を供える時のマナーで、必ず守らなければならないことがあります。
「息を吹きかけて線香の火を消す」ことは絶対にやめましょう。
さまざまな命(豚・牛・鶏・魚など)をいただく人間の口から出る息は汚れたものとされ、
神聖なものに息がかかる行為は古くから嫌われました。
人に息を吹きかけるのが失礼になるのと同じく、お墓に息をかけるのも不作法、そしてもちろん、
線香を消すときに息を吹きかけるのも間違いです。
線香に火をつけたら火が自然に消えるのを待つか、またはお線香を振って火を消しましょう。
お線香の束に火をつけて炎が上がっている場合は、
手であおいで消すのはOKです(ロウソクもこの方法で)。
【お墓参り・線香のマナー●後始末編】
使わなかった線香はもちろんお持ち帰りください。
火を点けてお供えした線香については、次のどれでも大丈夫です。
①そのままにして帰る
②燃え尽きるまで待つ
③水をかける
③の場合は、そのままにしておくと次に訪れた方が困りますので、
灰とともにゴミ捨て場に捨てましょう。
お墓参りの線香は持ち帰るのはNG?燃え尽きるまでまつ?
線香をお供えしたはいいけど、
「燃え尽きる前に帰ってしまって火事にならないかしら…」と
特に心配性の方は、気が気ではないですよね。
そのお寺や霊園によってルールが決められているのなら
それに従うまでですが、特に規則がないことが多いでしょう。
では、前述した3つの方法の心持ちを考えてみましょう。
【①そのままにして帰る】
「お線香は故人の食べ物。心行くまで最後まで食べて極楽浄土に
いって欲しい」と、故人・ご先祖への供養第一に考え、
「供養の最中に火事になったり悪いことが起きるはずない」と
確信して帰りましょう。
【②燃え尽きるまで待つ】
これは、供養する上でも最適ですし、安全ですので気持ち的にも
安心できます。
線香の燃焼時間は、
一般的な短寸サイズ(長さ13~14センチ)で約25分かかります。
今、これより短いミニ寸(長さ約7~9センチ)があり、
燃焼時間は約13分と通常より時間をだいぶ短縮できますので、
このサイズを選ぶのも良いですね。
また、通常サイズを折って使う、というのも有りは有りですが、
あまり気分がいいものではありません。
線香が燃え尽きるまで待つ間、
お墓に眠る方との思い出を瞑想して心の中から語りかけて
会話を楽しむのはいかがでしょうか。
【③水をかける】
時間がなくて、心配性の人にはこれがオススメです。
お参りが終わったら、線香に水を掛けて消します。
ちょっと忍びないですが、自分の気持ちを整える、という
心持ちを大事にしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ひとつの答えをズバッと出せずに申し訳ありません。
ただ、これだけはハッキリ言えます。
お線香の問題はちょっと置いといて…
お墓参りする、ということがとても素晴らしいことです。
あなたが元気な姿を、お墓に眠るあなたの大切な人に見せてあげましょう。
よく、「人は二度死ぬ」と言います。
一度目は身体が亡くなるとき、二度目は人々の記憶から無くなるとき、です。
その存在を、その魂が永遠となるようにお墓参りに行って、お線香を手向けましょう。