卒業シーズンが近づいてきました。送る側にとっては素敵な別れ、送られる側にとっては希望に満ちた巣立ちにしたいものです。
その大事な節目に欠かせないのが「卒業式」。
今回は、「卒業生代表として答辞を読むことになったけど、そんなの書いたことがない!」と困っている小学生のみなさんに、答辞の書き方のコツを紹介します。
卒業式の答辞を感動的に書くコツは?注意することは?
そもそも、答辞はだれに向かって読むものなのでしょうか。
卒業式にはだれが列席してくれるのでしょうか。「だれに」「なにを」
伝えたいかを考えながら書くと、聞く人が感動してくれる答辞になります。
答辞には、次のような目的があります。
(1)送辞を送ってくれた「在校生」への感謝の気持ちを表す
(2)「小学校で学んだこと」を「在校生」に伝え、応援する
(3)卒業まで見守ってくれた「先生」への感謝の気持ちを表す
(4)学校の活動を応援してくれた「地域の人」への感謝を表す
(5)ここまで育ててくれた「家族」への感謝の気持ちを表す
(6)「卒業式に列席したすべての人」へ新生活(中学校へ向けて)の決意を表す
このようなことを段落ごとに書いていけば、卒業式に列席してくれた人全員の
心に届く答辞になります。
では、ひとつずつ説明していきます。
送辞を送ってくれた「在校生」への感謝の気持ちを表す
あなたにとって「答辞」を書いたり読んだりするのが初めてならば、
在校生代表として「送辞」を用意してくれた人にとっても初めてのことです。
きっとあなたと同じように、悩みながら一生懸命書いて練習してくれたにちがいありません。
また、卒業式の会場や花、飾り付けなどを準備してくれたのも在校生のみなさんです。
だから、送辞を送ってくれた「在校生」に感謝の気持ちを表す文章を入れましょう。
「小学校で学んだこと」を「在校生」に伝え、応援する
卒業生は、先に小学校を巣立っていく「先輩」です。小学校6年間でどんなことを学んだか、
どんなことが大事な思い出になったか、またどんなことが大変で、
どうやって乗り越えてきたかなどを在校生に伝え、先輩から後輩への「頑張って!」
のメッセージを届けましょう。小学校で学んだことを家族や先生たちが聞いても、
充実した日々を送ってくれたのだとうれしく思うはずです。
卒業まで見守ってくれた「先生」への感謝の気持ちを表す
学校の中では、きっと先生たちがあなたの力になってくれたこともあったでしょう
(苦手な先生もいたかもしれませんが)。
特定の先生の名前は出さなくても、こんなときに、こんなふうに助けてくれた
(声をかけてくれた)というエピソードを入れ、感謝の気持ちを伝えましょう。
卒業してしまったら、その気持ちを伝える場はありません。
学校の活動を応援してくれた「地域の人」への感謝を表す
意外と忘れてしまいがちなのが、「地域の人」へ感謝を述べることです。
あまり意識していませんが、地域の皆さんはいろいろな面で学校に協力してくれています。
登校時の見守り、お祭りなど地域の行事、もしかしたら学校に役立ててほしいと寄付を
してくれた人もいるかもしれません。地域の皆さんは、子どもたちを「地域の宝」だと思って大事にしてくれています。卒業式にも地域の代表者として列席してくれている人が何人かいるはずです。
なかなか直接感謝を伝える機会がないので、ぜひ答辞に感謝の気持ちを入れてみましょう。
地域の人と学校にどんなつながりがあるかを知らなければ、先生に聞いてみましょう。
ここまで育ててくれた「家族」への感謝の気持ちを表す
なんと言っても忘れてはならないのが「家族」への感謝ですね。
家族が力になってくれたことがたくさんあったでしょう。小学校の「6年間」というのは、
とても長い時間です。低学年のころのことはあまり覚えていないこともあると思いますが、
家族は大事に覚えているものです。薄れている記憶をなんとか思い起こして、
あのとき、こんなことをしてくれたということを家族に伝えると、
家族は「覚えていたんだ」とうれしくなるはずです。家族へ「ありがとう」を伝えるのは、
普段は気恥ずかしくてなかなかできないもの。また、中学校に入学したら今より忙しくなり、
家族との時間が減ってしまうものです。せっかく答辞を読む機会を与えてもらったので、
卒業式の場を借りて伝えてみましょう。
「卒業式に列席したすべての人」へ新生活(中学校へ向けて)の決意を表す
ここまでは、卒業式に列席してくれた人それぞれへ感謝の気持ちを伝えてきました。
まとめの段落では、すべての人に向けて、新生活の決意を表明しましょう。
「小学校ではこんなふうに成長できました」、
「中学校ではさらにこんなふうに成長していきたいです」、
「これからもよろしくお願いします」
といった具合です。
まとめ
いかがでしたか。答辞となると、「そんなに長くは書けないけど、あまり短いと格好がつかない」
なんて思うかもしれませんが、こうして段落ごとに書く内容を考えていけば、
長さにこだわることなくまとまりのある文が書けるのではないでしょうか。
また、卒業式に列席してくれた人全員に喜んでもらえる答辞になるでしょう。
一生に一度しかない卒業式を、忘れられないものにしてください。
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