【2月回顧】ハンセン指数は約1カ月半ぶりの安値
香港市場は月初から緩やかな下落基調が続いた。ハンセン指数は21日に約1カ月半ぶりの安値を付けた。気球問題で米中関係悪化への懸念が強まったほか、新たな手掛かり材料が見当たらない中、利益確定売りが次第に優勢となった。サウスバウンド経由の中国マネーは売り越しに転じた(21日時点、2月の売り越し額は計約44億HKD)。外国人投資家による積極的な買いも見送られたと推測される。
個別銘柄では、チャイナ・モバイル(00941)など通信関連の上昇が目立った一方、大幅減益予想を発表したサニー・オプティカル(02382)が大きく下落した。
【3月見通し】決算発表、全人代とFOMCに注目
3月の香港市場は、ボラティリティの高い展開か。本格的な決算発表シーズン入りで、決算内容を手掛かりとした個別物色の動きが強まりそうだ。21日に安踏体育用品(02020)、22日にテンセント(00700)が22年12月期の本決算を発表する予定。
5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)で重要な経済政策が盛り込まれることへの期待が高まっており、政策がらみの銘柄に関心が集まろう。
米金融政策の動向にも目が離せない。21~22日に開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げ実施が予想されているが、利上げ停止時期を示唆するかに市場の関心が集まっている。
(2/22記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【2月回顧】上海は7カ月ぶりに3,300ptを回復
2月の中国市場で各指数は利益確定売りをこなしながら高値圏でもみ合う展開だった。上海総合指数は21日に約7カ月ぶりに節目の3,300ptを回復(終値ベース)。深セン成分指数は12,000ptをめぐる攻防が続いた。中国証券当局が17日、IPO登録制の全市場での導入を発表。証券市場の改革期待の高まりが相場の下支え材料となった。月初から22日までのストックコネクト経由の買越額は197億元と、1月の1413億元(月次で過去最高)を下回り、海外勢の資金流入ペースはやや鈍化。ただ、4カ月連続での買い越しで、大規模な流出は見られていない。
【3月見通し】上値目指す展開、政策&業績相場へ
- 予想レンジ
- 上海総合指数:3,150~3,500pt
深セン成分指数:11,000~13,500pt
3月の中国市場で各指数は上値を目指す展開になりそうだ。全人代(5日開幕)を通じてデジタル経済やインフラ投資などがテーマとなり、相場の後押し材料になる可能性があろう。上海総合指数は22年7月以来、約8カ月ぶりの3,400pt台回復も視野に入る。科大訊飛(002230)や三一重工(600031)など国策関連銘柄を中心に賑わいそうだ。月後半に集中する決算発表を控え、業績相場の様相も呈してきそう。新エネ車業界の好況が続く中、22年12月期の利益が前年の最大5倍超となる見通しのBYD(002594)などに注目が集まると見られる。
(2/22記:上海駐在員事務所 山藤)
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