「卒業式で、生徒代表として答辞を読んでくれないか?」
先生からそう言われたあなた、卒業おめでとうございます。
きっと卒業式よりも、高校受験の事の方が不安だと思います。
しかし、答辞を読むことは、大変な名誉なことなんですよ。
とはいえ、同級生だけではなく、大人に向けての文章を読むことになります。
どういう文章を作って読めばいいのか、すぐに分かるものではないですよね。
卒業式の答辞を感動的に書くコツは?注意することは?
答辞というのは、在校生からの「送辞」、大人代表の「祝辞」に対して読まれるものです。
小学校の卒業式を思い出してください。
在校生の代表が、卒業生に向けてお祝いの文を読んでいましたよね。
これが「送辞」です。
その後、卒業生の代表が、お礼の文を読んでいたと思います。
答辞は、そのお礼の文のことです。
答辞という言葉自体、難しい雰囲気を出していますが、そんなに肩肘を張らなくても大丈夫ですよ。
答辞は昔から何度も繰り返し行われてきたものですから、自然に文章内容の構成は
出来上がっているものなんです。
ですから、その構成に沿って書いていきましょう。
文の構成は、
- 導入
- 卒業式の列席者に、式への参加の感謝
- 思い出
- 在校生に向けた言葉
- 保護者へ向けた感謝の言葉
- これからの決意
- 母校の発展の祈り
だいたい、こんな流れになっていますよ。
導入とは、季節のご挨拶の事です。
「寒空の下・・・」とか、その時の季節の事から書き始めます。
思い出は、自分自身の事ではなく、みんなが学校で一緒に体験したことを上げましょう。
また、よくお笑いで、小学校の卒業式の答辞ネタで「みんなで頑張った!」「運動会!」
というものがありますよね。
これは体言止めと言って、文の終わりを名詞で終わらせる方法です。
名詞で終わらせることによって、より印象に残すことができる効果があります。
しかし、これを何度も使っていくと、強調したいことが何度も出てくることになるので、
その分、言葉のパワーが薄れてしまいます。
体言止めで文章を終わらせる場合は、1、2回にとどめておきましょう。
答辞の長さは、読んで1分半から2分ぐらいがちょうどいいと言われています。
それ以上長くなると、聞いている方も「長い」「もううざい」と感じてしまうそうですよ。
卒業式の答辞でオススメの例文とは?中学校で使えるフレーズ教えます!
簡単ですが、例文を出してみましょう。
寒さも緩み、桜のつぼみも大きくなった今日この頃、私たちの為に、かく盛大な卒業式を挙げて頂き、誠にありがとうございます。
また、ご多忙にも関わらず、ご出席下さいました御来賓の皆様、先生方、関係者の皆様に、卒業生一同、厚く御礼申し上げます。
ここでは思い出を書きます。
在校生の皆さんへ、私たちからある言葉を贈りたいと思います。それは「一期一会」という言葉です。
今、私たち卒業生は、各々が目指す将来に向けて、この中学校を去ろうとしています。
小学校、中学校と一緒だった私たちは、もう二度と同じ場所で、
同じ勉強をすることはないでしょう。今皆さんが一緒にいる仲間は、今でしか一緒に学んで、
協力することができないのです。どうか、その一瞬一瞬を大事にして学校生活を送って下さい。
そして、お父さん、お母さん、保護者の皆様、この三年間、私たちを支えて下さり
ありがとうございます。今日無事に、この○○中学校から巣立つことが出来ました。
まだまだ未熟な私たちですが、これからも見守って下されば幸いです。
今日、この○○中学校で学んだことを胸に、私たちは自分の足で自分の道を歩んでいきます。
最後になりましたが、○○中学校のより一層の発展と、これからの活躍を願って、答辞と致します。
文章の量が少ない、と思った場合は、卒業にちなんだ歌、短歌、格言、
あるいは論語などを一つ出すと、そこから文章の幅が出ますので、お勧めです。
文章が出来たら、必ず先生方にチェックして頂いて下さい。
そして、声に出して、答辞の練習をしましょう。
「文章を読むだけでしょ。大丈夫、大丈夫!」と思うでしょうが、当日は、感極まってしまって、
落ち着いた状態で読むことは難しくなるかもしれません。
泣きながら答辞を読んでも構わないのですが、それははっきりとした口調で答辞を
読んでいることが前提です。
まとめ
いろいろ言ってきましたが、一番感動する答辞は、
「あなたが思ったことを自分の言葉で書いたもの」です。
いくらきれいな言葉を他から引っ張ってきて貼り付けても、不思議と聞いている方は、
内容の薄さに気づくものです。
まずは、何でもいいです、文が少なくても、変でも、逆に一部分が多すぎても構いません。
思ったことを書いていきましょう。
そこから、文章を足したり、いらない分は消していけばいいのです。
そうしてできたものが、あなたにとっての「答辞」になるのですよ。答辞は、誰でも体験できるものではありません。
きっとあなたの人生において、よい思い出になることでしょう。