昨今、親子や家族のかたちも多様化しています。幼稚園に通園する児童の中にも
父子家庭のおうちがいらっしゃることが珍しくなくなってきました。幼稚園の催しで、
そんなご家庭に対して配慮する必要があるのか?どう心配りをしたらいいのか?
そんな疑問にお答えします。
最近の幼稚園では「母の日」は父子家庭への配慮から行わない?
厚生労働省では、全国のひとり親家庭の総数をデータにしています。
その中でも、父子家庭の世帯を換算すると22万3千300世帯となっています。
ちなみに母子家庭の推計はそれよりも100万世帯多く、父子世帯は約5分の1
ほどですが、右肩上がりで年々増え続けており、今後も増加が予想されます。
幼稚園は民間事業なので、各園で方針が決められている場合もあると思いますが、
先生方も多くの家庭の対応に気を遣っていることでしょう。
昔は、お母さんのいない家庭には白いカーネーションを、いる家庭には赤い
カーネーションを胸元につけてお祝いをしたという話があります。
現在のように、プライバシーや個人情報などという固い決まりごとは無かった
ですし、白い花をつけているお友達には、みんな自然と優しく接してたようです。
幼稚園によっては、「母の日」や「父の日」自体を行事として行わない所もある
ようですが、日本の習慣として「ある」ということは事実です。
また、四季折々の催しをお祝いすることによって、みんなが一体になって行事に
取り組んだり、いろいろな体験を積み重ねることは子供たちにとって素晴らしい
ことですね。
ですので、留意してあげるべき家庭には事前にどうするか相談し、
子供の可能性に蓋をしてしまうのではなく、みんなが違っていていいんだと、
自分と相手の違う所を認め合うことや、お母さんに感謝する気持ちの大切さなどを
教える機会になるといいですね。
幼稚園で母の日にママへプレゼントを製作する場合は父子家庭への配慮が必要?
子供達は、1~2歳時期の経験を経て、3歳ごろにはお友達との関りを積極的に楽しむ
ようになります。その一方、自我が急速に芽生え、自分のしたいことを譲れずに、
喧嘩になることも多くなります。
4~5歳ごろになると、精神や知的な成長以外に社会性が発達し、周囲の人に対する思いやりや、
他者を好きになる気持ちなどが育ってきます。
この頃になると、大人が遠くから見守ってあげたり、気持ちの表現で言葉が足らない時に
補助してあげるなどすれば、喧嘩になったとしても自分たちの話し合いで仲直りできる
ようになってきます。
ですので、大人がきちんと説明してあげれば、子供たちは「ママがいない家庭」に対する
理解も十分にできます。逆に、この頃に心無い間違った説明を指導してしまうと、
今後の人格形成に大きく影響しますので注意が必要です。
また、先生方がクラスの園児たちに父子家庭についての説明をきちんとしていたとしても、
各家庭の大人たちが我が子に父子家庭について偏見を持った説明をしているのであれば
本末転倒です。
子どもの成長や教育には、親御さんの育て方が深く関わってきますので、できれば各家庭
にも、先生方の「母の日」開催の目的や意図が伝わるようあらかじめ説明するといい
でしょう。
また、懸念されるようであれば、開催を「母の日」ではなく、「おうちの人への感謝の日」
として、大きく捉えるなどの対処をすると、どのような家庭環境でも平等に行事に参加する
ことができます。
まとめ
子供の立場によって感じ方が違い、精神面の作用も大きいため、とても対処が
難しい催しですが、子供たちに楽しく取り組んでもらえることを最優先に、大人の
意見で振り回さないよう目の前の対処をきちんと行っていけば、結果はどうであれ
素敵な記念日になることは間違いないでしょう。
子供たちの笑顔がたくさんあふれる日にしたいですね。