節分といえば何を連想しますか?一般的には、豆まきや恵方巻きが主流になってきています
ね。ほとんどの方がこの二つを思い浮かべたかと思います。
しかし、日本の節分にはもう一つ伝統的な風習があります。それは鰯の頭と柊を門に飾る
「柊鰯(ひいらぎいわし)」というものです。
西日本では「焼嗅(やいかがし・やっかがし・やきさし・やいくさし)」と呼ばれている
そうです。古くから伝えられている風習ですが、現代ではあまり知られていないようですので、
今回はその「鰯の頭を門に飾る」風習について書いていきます。
節分に鰯の頭を門に飾る風習はどこの地域?由来は?
九州の出身の人は、節分に鰯の頭を門に飾る風習について知りませんでした。
なぜ、知らなかったのか。
実は、この風習には地域性があるということがわかりました。
今回の記事を見て、逆に全国的に知られていないことに驚かれた方もいらっしゃるかと
思います。では、実際に節分に鰯の頭を門に飾ったことがある、もしくはそのような光景を
見かけたことがあるという地域がこちらです。
青森県、福島県、群馬県、栃木県、埼玉県、東京都、千葉県、愛知県、静岡県、岐阜県、
京都府、大阪府、奈良県、広島県、岡山県
都道府県の中でも細かく地域は分かれているので、一概にこの都道府県で必ず行われて
いるとは言い切れません。
また、なぜ鰯の頭を門に飾るのか、その由来は2通りの言い伝えがあります。
- 柊の葉の棘が鬼の目を刺すので門口から鬼が入れず、また塩鰯を焼く臭気と煙で鬼が
近寄らない。(主にこちらの言い伝えの方が広く知れ渡っているようです。)
- 鰯の臭いで鬼を誘い、柊の葉の棘が鬼の目を刺す。(先に紹介したものの全く逆の説
ですね。)
何れにしても魔除けの役割を指すもので、このような説が由来となり現在でも続けられている
風習となっております。
節分に鰯の頭を門に飾るのはいつまで続けるの?
鰯の頭を門に飾ると聞くとお正月の注連飾りを思い出します。注連飾りは年明けの1月7日
まで飾ることは知っている方も多いですよね。
では、節分の鰯の頭はいつまで飾っておくべきなのでしょうか。
この期間についてもそれぞれの地域で異なるそうですが、一般的には
節分の当日に飾るということです。
その他には、節分の日から2月下旬まで、小正月の1月15日から立春の2月4日まで、
次の節分まで1年間飾り続けるという場合もあります。
その地域がどのような期間で鰯の頭を門に飾られているかご近所の方に尋ねてみると良いでしょう。
そして、飾り終えた後は通常のゴミとして処分するのではなく、やはり厄除けとして飾っていた
ものなので、きちんとした処分方法が必要です。
処分方法もいくつかありますので紹介いたします。
- 半紙などの白い紙に包み、塩で清めたのち捨てる。できれば一般ゴミと分けて捨てると良いです。
- 神社でお焚き上げを行ってもらう。事前にお焚き上げが可能かを確認しておいた方が
- 玄関先に埋める。一番簡単な方法です。
- 灰になるまで焼いたものを、玄関先に盛る。
このようにきちんとした方法で処分まで行うと正しく行事を行った達成感も少し感じられるかも
しれませんね。
まとめ
今回は節分についてのお話でしたが現在行われている日本の行事の中には他にも私たちが
知らない地方独自の風習があるのかもしれません。そう考えると今からでも日本の行事で様々
な新しい取り組みができるので楽しくなりそうです。廃れてきてしまった地方の行事も広く他の
地域の方に知っていただくことによってもっと多くの人が集まり、盛り上がること間違いなし!
最近ではハロウィンやイースターなど外国のイベントが注目されていますが、日本の行事も
日本人である私たちがもっと大切にして、広めていくことで日本の良さ、日本らしさも外国へ
どんどん進出していくことでしょう。