「俳句」それは、日本で古くから親しまれている五・七・五の17音で季節や情景、
感情を表す言葉遊びです。俳句と似たものに「短歌」というものもありますが、
こちらは昔の貴族が教養として身につけたもので、この言葉遊びが上手な人はモテたそうです。
一方、今回のテーマである俳句は、庶民が親しみ、広げてきた言葉遊びです。
だから、肩の力を抜いて、楽しんで作っていきましょう。
少ない文字数のなかで季節の味わいや素敵な風景、深い感情を表すのは難しい!
と思うかもしれませんが、やってみると案外難しくないものです。
今回は、俳句の作り方のコツをご紹介します。
意外と簡単!俳句の作り方、中学生版
まず、俳句のルールを確認しておきましょう。
そうは言っても、俳句のルールは次の2つだけです。
(1)「五・七・五」の17音
(2)季語を入れる
それぞれ、詳しく説明していきます。
(1)「五・七・五」の17音
文字数が決まっている「定型詩」ではありますが、音のリズムによっては
「字余り」や「字足らず」も許される、ゆる~い言葉遊びです。
最初は文字数にあまりこだわらず、自分が表したいことを自由に思い浮かべてみてください。
慣れてくると、自然と「五・七・五」のリズムで言葉がひらめくようになります。
ちなみに、「きゃ」や「しゅ」などは1音として数えます。
(2)「季語」を入れる
この2つめのルールが、俳句を風流なものにしてくれます。
「季語」を入れることです。「季語」というのは、季節を連想する言葉のことです。
例えば、「雪」といえば冬を表します。四季がある素晴らしい日本の季節を表現するのに、
季語は欠かせません。とは言っても、そんなに難しく考えることはありません。
昔はある程度決まった季語がありましたが(それをいくつ知っているかも教養のひとつでした)
現代では決まった季語だけにこだわらず、自由に季語を決めて俳句にしてみましょう。
思い浮かばないなぁと思ったら、窓の外を眺めてみてください。
必ず、季節を連想させる何かが目に入るはずです。
今まで気がつかなかった日本の季節を新発見するよい機会にもなるかもしれません。
俳句の作り方、中学生版!春の季語って何がある?
これまで、俳句のルールについて説明してきました。ここからは、俳句を作るときのコツを3ステップで紹介します。
(1)季語を決める
(2)季語から連想する情景・感情を思い浮かべる
(3)五・七・五にあてはまるように言葉を選ぶ
(1)季語を決める
まずは俳句に欠かせない季語を決めましょう。今回は春の俳句ということなので、
春の季語を考えてみます。
昔から決まっている春の季語もあります。さらにこだわりたい!という人は、
昔の歌集を図書館で借りて読んでみてください
(現代ではなかなか気がつかないような季節の感じ方やズレもあって、おもしろいです)。
今回は現代版俳句を作るために、自由に季語を思い浮かべてみます。
「春」といえば、どんなものが思い浮かぶでしょうか。花、日差しのあたたかさ、
入学式、新しいはじまり・・・なんでもOKです。自分が「春だなぁ!」
と思う瞬間を季語にしてみてください。
(2)季語から連想する情景・感情を思い浮かべる
次に、決めた季語から連想される情景や感情を思い浮かべてみます。
このときはまだ「五・七・五」にこだわらなくてOKです。
もちろん、「五・七・五」でひらめいたときは、どんどん先に進んでください。
「情景」とは、見たままの様子、光景です。
しかし、ただあるものを言葉にするだけではつまらないので、
そこに見える色や形なども言葉にしていくと、俳句に深みが出ます。
「感情」とは、「情景」を目にしたときの自分の気持ちです。
喜怒哀楽のうち、どんな気持ちをもったかを自由に言葉にしてみましょう。
(3)五・七・五にあてはまるように言葉を選ぶ
最後に、俳句の特徴である「五・七・五」に合う言葉を選びます。
文字数が決まっているとはいっても、「字余り」や「字足らず」もありの
ゆる~い言葉遊びですから、楽しみながら言葉を探してみましょう。
よく町の中で目にする看板などに書かれた言葉は、リズムのよい言葉が選ばれています。
おもしろい看板を作ろう!くらいの気持ちで考えると、
おもしろい言葉が思いつくかもしれません。
さらに上をいく俳句にしたいとすれば、「掛詞(かけことば)」というものもあります。
ひとつの言葉にいくつかの意味を持たせる(「はし」=橋と箸と端のように)言葉遊びです。
これは言葉の「トリック」ですので、これで遊べるようになったら立派な上級者です。
まとめ
いかがでしたか。俳句は日本の文化でもありますが、
昔の人が楽しんでいた高度な言葉遊びでもあります。
この機会に、俳句を「昔遊び」として楽しんでみたり、日本の素晴らしい四季を感じてみたり、
日本語の深みを新発見したりするのもいいですね。