成人式と言えば、新成人となったことを激励し、祝福するための式典ですよね。
両親やいろんな大人に保護されていた子供の時代を終えて、自立し、
大人の社会へ仲間入りすることを自覚するための儀式と言われています。
では、皆さんは二分の一成人式というものをご存知でしょうか。
成人式の二分の一、つまり半分の10歳の時点で行うものというのは、
名前からも判断することができますよね。
実際に二分の一成人式ではどんなことが行われるのでしょうか。
学校で行う二分の一成人式ってどんな内容?
多くの学校では、二分の一成人式を参観日に行っているようですね。
親に宛てた感謝の手紙を読んだり、
親から子どもへの手紙が読まれたり、
感謝の歌を歌ったり、親子でゲームする時間があったり、
「自分はこんなに成長できたよ、ありがとう」と言ったような内容が伝わるように
授業が構成されていることが多いようです。
学校で行う二分の一成人式の目的って何?
そもそも学校で二分の一成人式を行う理由は、
子どもが自分自身について考える機会をもつことが目的でした。
子どもが自分自身について振り返ることで、自信を持つことができたり、
頑張ってきたことや、これから頑張りたいことを考えられたり、
これまでなかなか考えることのできなかった将来について
考えるための授業です。
ただ、参観日に行うことで、親に直接感謝の言葉を伝えることができたり、
その授業を観た親が感激したというようなエピソードにより、
何となく、本来の目的が薄れてきているような気がします。
どちらかというと、親を喜ばせるための内容になってきているような・・・
そんなこんなで一種の流行のように広がった二分の一成人式ですが、
やはり、賛否両論あるようで、どうやら問題も起こっているようです。
二分の一成人式で起こっている問題とは?
例えば、子どもに小さい時の思い出を聞いた場合、
出てくる答えは当然ながらみんな違いますよね。
生活環境も、経済状況も、その家庭で全く違います。
それなのに、当時の思い出の品や写真を持って来させたり、
展示なんてした日にはどうなるでしょう?
容易に想像がつきますよね。
更に、育児放棄や虐待を体験した子どもや、
親を亡くしている子どもがそのクラスにいたらどうでしょうか?
その子たちがどんな思いをするか、分かりますよね。
怖い事は、こういった格差を露呈することでいじめが発生する場合があるという事、
また、感謝の手紙や言葉が強制されたものになる可能性があるという事です。
このように、学校の参観日で二分の一成人式を取り扱う場合、
配慮しなければならない点は、本当に多くあると思います。
それでもやはり学校での子どもの成長がみられたり、
子どもから自分に宛てられた手紙を受け取れたり、
個人個人が参加できる授業参観というのは少ないですから、
小学校に入ってから楽しみにしている親や家族の方もいると思います。
しかし、先に記載した問題点があるため、二分の一成人式を取り扱わない学校も
増えてきているようです。
「一人目の子どもの時はあったのに、二人目の時にはなくなっていた」と
悲しんでいる家庭もあるかも知れませんね。
こういった理由から、二分の一成人式については、今でも賛否が分かれ
なかなか解決できない問題になっているようですよ。
まとめ
親として子どもから「ありがとう」と言われるのは、
本当にうれしい事ですよね。
苦労して育ててきたことを思い出して、
こんな風に思えるようになった子どもに涙することもあるでしょう。
ただ、親や家族にそんな感動を味わってもらうためだけに行う
二分の一成人式は、何だか違うような気がしてなりません。
皆さんはどう思いますか?